1944年、海岸線は血に染まり、1万を超える命を奪い去った。 忘却の彼方に浮かぶペリリュー島の記憶が、平和への思いを紡ぎ出す―
【終了日:4/28(金)※1週限定上映】
【監督】小栗謙一
【キャスト】土田喜代一,升本喜年
2015年/日本/76分/太秦/DCP
4月22日(土)〜4月28日(金) |
11:50〜13:10 |
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一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
第二次世界大戦終結から70年を迎えた2015年4月9日、天皇・皇后両陛下がパラオ共和国ペリリュー島の慰霊碑で戦没者を追悼された。日本軍約1万人が犠牲になったペリリュー島の最南端に建てられた「西太平洋戦没者の碑」に、日本から持参された白菊の花束を手向け、深々と一礼された後、海の先に望むアンガウル島にも拝礼された。
1944年9月15日から11月24日、ペリリュー島では70日に及ぶ激戦の末、日本軍、米国軍合せて1万を超す命がこの地に散った。余りにも悲惨で苛烈であったが故に、日米双方で語られる事がなく忘れられた戦い。
【現代に残された資料映像、多角的な証言から綴る、ペリリュー島の「追憶」_】
本作は、米国防総省、米海兵隊歴史部、米国立公文書館に保存されている膨大な映像と、日本の自衛隊第8師団、NHKに残る貴重な資料により、ペリリュー島の真実が描き出される。これほどまでの膨大な日米双方からの資料映像が見られる作品はいままでに前例がなく、歴史的にも大変意味のある作品となっている。かつて血に染まった海岸線は美しい姿を取り戻したが、弾薬、戦車、司令部跡、島の至る所には戦争の痕跡が時代を越えて鎮座している。資料映像と現代のペリリュー島の風景で綴る映像により、70日間に及ぶペリリュー島の戦いの記憶が蘇る。
ペリリュー島の戦いを生き抜いた元日本兵、アメリカの元海兵隊兵士、島民の貴重なインタビューにより、そこで、その時、何が起き、「指揮官は、兵士は、民間人は、何を思ったか」と言う視点を通して日米に甚大な惨劇を生んだ戦場の島を見つめる。
【ペリリュー島に散った玉砕戦で全軍を指揮した中川州男大佐が、妻に宛てた手紙。】
当時、日本軍守備隊を指揮した中川州男大佐は、「戦いには、負けると判っていても敗北が決するまで戦い続けなければならない戦がある。」と当時多くの戦場で行われた日本軍の“バンザイ玉砕”を最後まで認めなかった。無骨な武人であった中川大佐が戦陣から妻に宛てた手紙は、過酷な戦場に於いても家族を思う優しさが行間から溢れている。本作の原案となった「愛の手紙」~ペリリュー島玉砕~中川州男の生涯(升本喜年著)は、中川大佐の手紙を元にペリリュー島の玉砕を綴った、現代を生きる私たちが読むべき至極の一冊となっている。
【美輪明宏の語りと、小林研一郎の鎮魂のピアノが美しきペリリュー島に木霊する_】
知的障害のある人たちがスポーツを通じ社会参加を目指すスペシャルオリンピックスを題材にしたドキュメンタリー映画『エイブル』『ホストタウン』『ビリーブ』そして『幸せの太鼓を響かせて~INCLUSION~』等、社会の根底を見据える優しい眼差しと共に、社会問題を提言するドキュメンタリー作品を多く手掛ける小栗謙一が監督。製作は日本映画界を代表する映画プロデューサーの奥山和由。炎のコバケンこと小林研一郎が音楽を担当。そして被爆体験、戦争体験を語り続けている美輪明宏の語りが、美しきペリリュー島に木霊する。
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