ルキ−ノ・ヴィスコンティの絢爛たる世界が、今、ここに甦る。生誕110年 没後40年メモリアル上映!
【終了日:4/28(金)】
【原題】Gruppo di famiglia in un interno
【監督】ルキノ・ビスコンティ
【キャスト】バート・ランカスター,シルバーナ・マンガーノ,ヘルムート・バーガー,クラウディア・マルサーニ,ステファノ・パトリッツィ
1974年/イタリア,フランス/121分/ザジフィルムズ/DCP
4月15日(土)〜4月21日(金) |
12:10〜14:10 |
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4月22日(土)〜4月28日(金) |
09:35〜11:40 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
18世紀イギリスで流行した<家族の肖像>と呼ばれる家族の団欒画のコレクションに囲まれて、ローマの豪邸に一人暮らす老教授。失われゆくものたちに埋もれ、孤独に生きていた彼の生活が、ある家族の闖入によって掻き乱されていく…。
1972年、前作『ルートヴィヒ』の完成間際に病いに倒れ、敬愛するドイツの文豪トーマス・マンが息を引き取ったというスイスの病院の同じ病室に身を置いていたルキーノ・ヴィスコンティ監督、その時65歳。ライフワークとしていた諸作品(「魔の山」、「失われた時を求めて」etc...)の映画化を健康上の理由から断念せざるを得なくなった彼が、共同脚本のエンリコ・メディオーリに口にした「単純で簡潔な、一室内で終始する物語。登場人物は二人」というアイデアから生まれたのが本作。美術のマリオ・ガルブリア指揮の下、制作されたスタジオのセット内ですべて撮影、車椅子を操りながら気迫と執念で撮り上げました。
長年に渡り協力関係にあった名優たちが奏でる、室内楽にも似た名演のアンサンブル。『山猫』で、最もヴィスコンティ自身に近い、と言われた滅びゆく貴族を見事に体現したバート・ランカスターが、ここでもまた、ヴィスコンティ自身の精神的な肖像とも言うべき教授役を味わい深く演じています。
始めは反目しながらも次第に強く惹かれていく、粗野な面と知性を同時に持つ美青年コンラッドには、公私にわたり監督から寵愛を受けたヘルムート・バーガー。気品あふれる存在感を過去作に焼き付けてきたシルヴァーナ・マンガーノが、貴族ならではの傍若無人さをまき散らす伯爵夫人に扮し、強烈な存在感を示します。回想場面で登場する、クラウディア・カルディナーレ、ドミニク・サンダの特筆すべき美しさに、ため息が漏れることでしょう。
生誕110年、没後40年を記念して、2016年春から再公開が続く名匠ルキーノ・ヴィスコンティの絢爛たる名作の数々。その掉尾を飾るのが後期最高傑作と謳われる本作です。1978年の初公開時から数えて、実に39年ぶりにスクリーンに甦ります。
【STORY】
ローマの高級住宅街。一人「家族の肖像」の絵画に囲まれて暮らす、老教授(B・ランカスター)の静かで孤独な暮らしは、ある日突然の闖入者によって掻き乱される。ビアンカ・ブルモンティと名乗る、美しく気品のある伯爵夫人(S・マンガーノ)とその家族たち、娘のリエッタ、婚約者ステファーノだ。全くその意思の無い老教授を強引に口説き落とし、彼女たちは階上の部屋を借りてしまう。
実際に階上に住み込んだのは、ビアンカの愛人であるコンラッド(H・バーガー)だった。数日後、勝手に改装をし始めたコンラッド。教授との間に諍いが起こる。誤解が解けた後、教授はコンラッドに、予想もしなかった教養の片鱗を見る。ブルモンティ家との距離が少しだけ縮まり、教授は彼らを夕食に誘う。しかし、彼等は一向にやってくる気配を見せず、教授は一人夕食をとるのだった。
ある夜半、階上からのただならぬ物音に教授が駆けつけると、何者かが逃げ去っていくのと、怪我をして倒れているコンラッドを発見する。かつて戦時中に教授の母親が、ユダヤ人やパルチザンを匿う為に造った小部屋で介抱をした。また別の夜、書斎から漏れ聞こえる音楽に、教授が様子を見に行くと、若い三人が全裸で踊っている。リエッタの誘いに、教授は苦々しく自分の過去を思い返すしかない。
教授の元に刑事が訊ねてきた。拘束したコンラッドが、教授の家にいたと証言したからだった。警察から帰って来た教授とビアンカたちの間で、コンラッドを巡り言い争いになり、その後の数日を一人、不機嫌なままに過ごす。コンラッドの拘束は数日で終わり、また階上から物音が響いてくる日々がやってきた。ある日、騒音の文句を訴えたことから、教授はリエッタたちを翌日の食事に招くことになったのだが…。
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