それは、ぼくが子どもでいられた最後の夏だった―
映画大国ポーランドから生まれた新たな才能が描く思春期の輝きと揺らぎ
【終了日:2019年9/13(金)※9/8(日)休映】
【原題】Wspomnienie lata
【監督】アダム・グジンスキ
【キャスト】マックス・ヤスチシェンプスキ,ウルシュラ・グラボフスカ,ロベルト・ビェンツキェビチ
2016年/ポーランド/83分/マグネタイズ/DCP
8月31日(土)〜9月06日(金) |
16:05〜17:30 |
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9月07日(土) |
13:00〜14:25 |
9月09日(月)〜9月13日(金) |
19:50〜21:20 [レイト] |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,200 | ¥1,100 | ¥1,100 |
【それは、ぼくが子どもでいられた最後の夏だった。甘酸っぱく、どこかなつかしい、新しい夏休み映画が誕生した】
1970年代末―夏、ポーランドの小さな町で、12歳のピョトレックは新学期までの休みを母ヴィシアと過ごしている。父は外国へ出稼ぎ中。母と大の仲良しのピョトレックは、母とふたりきりの時間を存分に楽しんでいた。だがやがて母はピョトレックを家に残し毎晩出かけるようになり、ふたりの間に不穏な空気が漂い始める。一方ピョトレックは、都会からやってきた少女マイカに好意を抱くが、彼女は、町の不良青年に夢中になる。それぞれの関係に失望しながらも、自分ではどうすることもできないピョトレック。そんななか、大好きな父が帰ってくるが……。
子どもと大人の狭間で揺れる12歳の少年の目を通して描かれる、切なくも忘れられない一夏の記憶。どこかなつかしさを感じさせる70年代ポーランドの風景のなか紡がれる、新しい夏休み映画が誕生した。
【映画大国ポーランドから生まれた新たな才能。端正な映像が捉えた、誰もが体験する思春期の輝きと揺らぎ】
アンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキー、イエジー・スコリモフスキといった巨匠たちに続き、近年、パヴェウ・パヴリコフスキ(『イーダ』『COLD WAR あの歌、2つの心』)、アグニェシュカ・スモチンスカ(『ゆれる人魚』)と次々に実力派監督を生み出すポーランド映画界において、また新たな才能が日本に紹介される。デビュー短編『ヤクプ』(97)がカンヌで絶賛されたアダム・グジンスキ監督(1970〜)が自身の体験をもとにつくりだした『メモリーズ・オブ・サマー』は、母と子を結びつける特別な絆とその崩壊を軸に、初めての恋や友情、性を取り巻く感情に戸惑う思春期の痛々しさを、切実に映し出す。
自然に囲まれた小さな田舎町を捉えた端正な映像は、ノスタルジックでありながら、常に破綻の気配を漂わせる。撮影は、スコリモフスキの『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』を手がけたアダム・シコラ。また「連帯」結成前、民主化運動が高まる直前の70年末ポーランドの風景を見事に再現した本作では、当時の音楽やファッション、インテリアが、見る者の目を楽しませてくれる。少年期特有の微妙な心の揺れを、美しくもサスペンスフルに描いた傑作!
【story】
1970年代末のポーランドの小さな田舎町、夏。
12歳の少年ピョトレックは母親のヴィシアとはじまったばかりの夏休みを過ごしていた。父イェジーは外国へ出稼ぎ中だが、母と息子は、石切場の池で泳ぎまわり、家ではチェスをしたり、ときにはダンスをしたりする。ふたりの間には強い絆があり、ピョトレックは楽しく夏休みを過ごしていた。だがやがてヴィシアは毎晩のように家をあけはじめる。ピョトレックは、おしゃれをし、うきうきとした母の様子に、不安な何かを感じ始める。
団地に、都会からマイカという少女がやって来る。母に連れられ、おばあちゃんの家へ遊びに来たマイカは、田舎町が気に入らないようだ。仏頂面のマイカに、ピョトレックは一目で惹かれる。やがてふたりは徐々に仲良くなり、郊外へ一緒に出かけるようになる。
母は相変わらず出かけてばかりいる。月に一度、ふたりのもとに、外国で働いている父イェジーから電話がかかってくる。喜んで話をするふたりだが、「ママに何か変わったことはないか?」という父の質問に、ピョトレックは沈黙する。その様子を見ていた母は、息子に「なぜあんな真似を」と怒りをぶつける。その日から、ふたりの間には緊迫した空気が流れ始める。そんななか、大好きな父が出稼ぎから帰って来る……。
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