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【世界に認められた日本を代表する作家・村上龍の小説がアメリカインディーズ界の新鋭に強烈なインスピレーションを与えた】
三島由紀夫、谷崎潤一郎など、日本を代表する作家の作品がこれまで多くの海外映像クリエイターたちに影響を与えてきた。その中でもひと際異彩を放つ作品として、村上龍の「ピアッシング」がハリウッドで映画化。 殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女が出会い、オープニングからラストまで緊迫感が持続するサイコスリラーである。
この原作に魅せられたのが、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ。デビュー作で2016年ファンタスティック映画祭の5部門を受賞した注目の監督が、洗練されたスタイルで原作のテイストを映像化。主人公は幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動を抑えるためにSM嬢の殺害を計画。しかし呼び出した女はいきなり自分自身を傷つけはじめる。刃を外に向ける者と内に向ける者は、やがて共鳴していくのだろうか・・・。
出演は『ファ一スト・マン』のクリストファー・アボットと、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ。端整な顔立ち中に抑えきれない狂気を混在させた男と、些細なことで壊れてしまいそうな美しさを抱えた女を、繊細力かつ圧倒的な演技で魅せている。
ペッシェ監督は次回作で『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛。劇中のインテリアに荒木経惟の写真を使っているほか和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与えている。 スタイリッシュでありながら現実との境界線が曖昧な建物造形も、オリジナリティあふれる世界観を形作っている。
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