小説家と女優、ふたりの女性の幸福なめぐり合わせが
唯一無二の映画体験をもたらす、名匠ホン・サンス監督の新作
【終映日:2023年7/28(金)】
【原題】The Novelist's Film
【監督】ホン・サンス
【キャスト】イ・ヘヨン,キム・ミニ,ソ・ヨンファ,パク・ミソ,クォン・ヘヒョ,チョ・ユニ,ハ・ソングク,キ・ジュボン,イ・ユンミ,キム・シハ
2022年/韓国/92分/ミモザフィルムズ/DCP
6月30日(金) |
12:25〜14:00 20:30〜22:05 [レイト] |
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7月01日(土)〜7月07日(金) |
14:15〜15:55 20:45〜22:20 [レイト] |
7月08日(土)〜7月14日(金) |
11:40〜13:20 17:25〜19:00 |
7月15日(土)〜7月21日(金) |
15:15〜16:50 |
7月22日(土)〜7月28日(金) |
16:15〜17:50 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,200 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,200 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,200 |
会員 | ¥1,200 | ¥1,200 | ¥1,200 |
クオリティの高い映画やTVドラマを次々と発信し、今や世界有数の娯楽コンテンツ大国へと成長を遂げた韓国。その華々しい躍進の陰でひょうひょうとマイペースを貫き、名匠の地位を確立した映画作家がホン・サンスである。ことさら劇的なストーリー展開も、派手な視覚効果もない。それなのに、人生の不思議なめぐり合わせや人間の深遠なる本質を覗かせる映像世界は、一度ハマるとクセになる唯一無二の魅惑に満ちあふれ、日本でも新たなファンを獲得し続けている。
そんなホン・サンスの長編第27作『小説家の映画』では、ホン監督の公私にわたるパートナーであるキム・ミニと、前作『あなたの顔の前に』で絶賛を博したベテラン女優イ・ヘヨンの豪華なダブル主演が実現。アーティスト/表現者として成功を収めながらも、共に人知れず迷いを抱えたふたりの女性が、偶然の出会いをきっかけに通じ合い、先の見えない人生の新たな可能性に思いがけず飛び込んでいく姿を映し出す。2022年の第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された本作は、銀熊賞(審査員大賞)を受賞。ベルリンでは『夜の浜辺でひとり』(主演女優賞/17)、『逃げた女』(監督賞/20)、『イントロダクション』(脚本賞/21)に続き、実に3年連続4度目の受賞を果たす快挙となった。続く第28作『WALK UP』も2024年の日本公開を控えている。
近年の韓国では女性の生き方、女性を取り巻く社会の有り様を考察する映画、文学が数多く発表され、女性や若い世代の共感を集めている。『はちどり』(18)、『82年生まれ、キム・ジヨン』(19)、『ユンヒへ』(19)といった映画が、日本でも大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。以前は男女のもつれた恋愛模様を描くことが多かったホン・サンス監督も、女性の謎めく繊細な内面に興味をシフトさせたかのように、『逃げた女』、『あなたの顔の前に』そして本作『小説家の映画』へと積極的に“女性映画”を撮っているようだ。キム・ミニ、イ・ヘヨンという映画に祝福された、韓国を代表する女優ふたりを同時起用した本作は、まさにその流れをくみ、女性アーティスト同士のめぐり合い、友愛と連帯の芽生えをほのかな幸福感にくるんで紡ぎ上げた。
キム・ミニ、イ・ヘヨンを囲む脇役のキャストに配されたのは、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、キ・ジュボンといったホン・サンス組ではおなじみの顔ぶれ。劇中にはジュニの理想の俳優や、映画の制作環境について熱弁をふるうエピソードが盛り込まれており、常連俳優たちが披露する絶妙なアンサンブルを堪能しながら、ホン監督の映画作りの秘訣に思いを馳せてみるのも一興である。
【STORY】
人生の新たな可能性に向かって共に歩みだす女性たちの友愛と連帯の物語
長らく執筆から遠ざかっている著名作家のジュニが、ソウルから離れた町に移り住んだ後輩のもとを訪ねる。後輩が営む小さな書店で近況を語り合ったジュニは、この町の名物タワーの展望台で旧知の映画監督夫妻と再会。そしてうららかな陽気に誘われて公園に繰り出したジュニは、散歩中の女優ギルスと偶然出会う。ギルスは映画界で名声を得ながらも、今は引退同然の生活を送っていた。初対面とは思えないほど互いに親しみを感じたふたりは、ジュニの提案によって一緒に映画を撮ることを約束する。果たして作家として、女優として、内に葛藤を抱えたふたりの思いがけないコラボレーションの行方は……。
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