2012年10月に急逝した若松孝二監督遺作!
中上健次の代表作を映画化。
【監督】若松孝二
【キャスト】寺島しのぶ,佐野史郎,高良健吾,高岡蒼佑,染谷将太
2011年/日本/118分/若松プロダクション、スコーレ/DCP上映(ベティ) or ブルーレイ上映(ジャック)※上映館はお問い合わせ下さい。
3月23日(土)〜3月29日(金) |
10:10〜12:15 12:15〜14:20 |
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3月30日(土)〜4月05日(金) |
14:20〜16:20 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
女は孕み、子が生まれ、路地から人が溢れ出す。
あの世よりはこの現世へ 生きてあることこそバンバイよ…。
紀州が生んだ鬼才・中上健次の代表作『千年の愉楽』を、若松孝二が映画化。
舞台となったのは、眼下に美しい尾鷲湾を見下ろし、背後には紀州の深い緑が連なり、斜面に建つ趣ある家々を縫って小さな路地が巡る、三重県尾鷲市の静かな集落、須賀利。
昭和の薫りが色濃く漂うこの集落で若松孝二が描き上げたのは、匂い立つような命、不条理ゆえに美しい命の讃歌である。
紀州の路地に生を受け、女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、命の火を燃やしつくして死んでゆく、美しい中本の男たち。
その血の真の尊さを知っているのは、彼らの誕生から死までを見つめ続けた路地の産婆・オリュウノオバだけである。
年老いて、いまわの際をさまよい続けるオリュウの胸に、この路地に生を受け、もがき、命を溢れさせて死んでいった美しい男たちの物語が甦る。
己の美しさを呪うように、女たちの愉楽の海に沈んでいった半蔵。火を噴くように生きていたいと切望し、刹那の炎に己の命を焼き尽くした三好。路地から旅立ち、北の地で立ち上がろうともがいて叩き潰された達男。
生きよ、生きよ、お前はお前のまま、生きよと祈り続けたオリュウ。
うたかたの現世で、生きて死んでいく人間を、路地の人間の生き死にを、見つめ続けたオリュウの声なき祈りが、時空を越えて路地の上を流れていく。
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