<生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険> screen ジャック

ヌーベルバーグ黎明期から1980年代まで、フランス映画の代表格として活躍したトリュフォーの作品を一挙上映

【監督】フランソワ・トリュフォー

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通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,100
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,100
高校生以下・しょうがい者:¥1,000

礼儀正しさと機転

『夜霧の恋人たち』で、アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオー)は、
ひそかに恋こがれる年上の美しいタバール夫人(デルフィーヌ・セイリグ)を目の前にしてすっかり上がってしまい、
女の人にはマダムと言わなければならないところをムッシューと口走ってしまい、おどろくタバール夫人に弁解もできずに、
ただもうショックで逃げだしてしまう。すると、タバール夫人からの手紙が追いかけて来てこんな洒落たたとえ話を伝えるのです ―
男の人が浴室に入ったら、すでに女性が入浴中でした。「失礼しました、マダム」と言えば、それはとても礼儀正しいことです。
でも、もし、「失礼、ムッシュー」と言ったら、それは機転です。
繊細なユーモアにあふれた映画作家、フランソワ・トリュフォーの人間味がじつによく出ている忘れがたいシーンです。
「わたしのつくりたい映画の主題は、結局は愛の物語と子供の話です。もし映画監督を難破船の船長にたとえることができるなら、
「女と子供を先に救え!」という船長の言葉をわたしの映画監督としてのスローガンにしたいと思います」とトリュフォーは書いています。
パリ、エッフェル塔。
海に向かって走りつづける少年。
自転車、ひるがえるスカート。
教育か愛か。野性の少年に人間社会への復帰の希望はあるのだろうか。
コミカルなフィルム・ノワール?野性の少年のように奔放に裸足で走り回って、
おふざけいっぱいに男たちを死に追いやる私のように美しい淫らなあばずれ娘の行状記。パリへ!パリへ!幸運の数字はいつも813。
その時キャメラは回っていた…8ミリマニアの大人ぶった少年が笑わせる。
ロウソクの炎。死に至る病のように残酷で苦しい姉妹の愛のクロニクル。
この紙はあなたの肌、このインクは私の血。遺言のように手紙を書きつづける女。一途な愛。ロダン美術館の庭のバルザック像。
そして何よりも、映画的な、あまりに映画的な人生。

山田宏一 (映画評論家)

【上映作品】

▶『大人は判ってくれない』

カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、トリュフォーの名を一躍国際的に知らしめた名作にして、「ヌーヴェル・ヴァーグ」映画を代表する一本。

監督・原案:フランソワ・トリュフォー
脚色・台詞:フランソワ・トリュフォー、マルセル・ムーシー
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ジャン・コンスタンタン
出演:ジャン=ピエール・レオー、パトリック・オーフェー、アルベール・レミー、クレール・モーリエ、ギー・ドコンブル、ジョルジュ・フラマン
1959年/フランス/モノクロ/99分/原題:Les Quatre Cents Coups
©1959 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDIF
家庭にも学校にも居場所がなく、ついには非行に走って感化院送りになる14歳の少年アントワーヌ・ドワネルを主人公とした半自伝的作品。静止画を用いて解釈を宙吊りにする開放型のエンディングは、その後の映画にさまざまな影響を及ぼした。「これまでに観た中で最も美しい映画の一本」(黒澤明)、「映画にこれほど心動かされたことはない」(ジャン・コクトー)、「ヌーヴェル・ヴァーグ最初の傑作」(ジョナス・メカス)等々、世界中の芸術家に愛された作品でもある。撮影開始直前に亡くなったバザンに捧げられている。

▶『アントワーヌとコレット〈二十歳の恋〉より』(短編)

「アントワーヌ・ドワネルの冒険」第二弾として作られた短編。思春期を迎えたドワネルの、初恋から失恋へいたる悲喜こもごもが描かれる。

監督:フランソワ・トリュフォー
脚本・台詞・演出:フランソワ・トリュフォー
撮影:ラウル・クタール
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ピエール・レオー、マリー=フランス・ビジエ、フランソワ・ダルボン、パトリック・オーフェー、ジャン=フランソワ・アダム
1962年/フランス/モノクロ/30分/原題:Antoine et Colette <L'Amour à vingt ans>
©1962 LES FILMS DU CARROSSE
監督として石原慎太郎やアンジェイ・ワイダも参加した(人選にはトリュフォーの意見が反映されている)全五話からなるオムニバス映画『二十歳の恋』(62)の一挿話として製作された短編。連作「アントワーヌ・ドワネルもの」の二作目でもある。レコード製造会社に勤務し自活している17歳のドワネルが、古典音楽のコンサート会場で女子学生コレットに一目ぼれするも、彼女からは恋愛対象と見なされない悲喜劇。これまたトリュフォーの実体験に基づく物語で、「多くを求め過ぎるとすべてを失うことになりかねない」との教訓が込められている。

▶『夜霧の恋人たち』

「ドワネルの冒険」第三弾にして、同連作初のカラー映画。語り口がより軽やかになり、笑いの要素も強まって映画作家トリュフォーの成熟を感じさせる。

監督:フランソワ・トリュフォー
脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー、クロード・ド・シヴレー、ベルナール・ルヴォン
音楽:アントワーヌ・デュアメル
撮影:ドニ・クレルヴァル
出演:ジャン=ピエール・レオー、クロード・ジャド、デルフィーヌ・セイリグ、ミシェル・ロンスダール、ハリー・マックス、アンドレ・ファルコン、ダニエル・セカルディ
1968年/フランス/カラー/91分/原題:Baisers Volés
©1968 LES FILMS DU CARROSSE/ CONTACT EDITIONS / LES PRODUCTIONS ARTISTES ASSOCIES
「ドワネルもの」三作目。20代前半になったドワネルは、兵役を終えてさまざまな職に就くが、次々にクビになってどれも長続きしない。他方で彼は恋人クリスチーヌとの愛を育んでいるのだが、雇用主の魅力的な細君にフラフラとよろめいてしまったり、危なっかしい。前二作以上に楽天性と喜劇色が強まり、演出にも余裕と円熟味が感じられる一篇。原題の「盗まれた接吻」は、本作の主題歌としても使われているシャルル・トレネの歌『残されし恋には』の一節から採られた文言。威信あるルイ・デリュック賞の最優秀作品賞を受賞した。

▶『家庭』

「ドワネルの冒険」第四弾。結婚し、長男をもうけたドワネルだが、一家の大黒柱となるにはほど遠い未熟ぶりで……「快活で可笑しいが、その背景に哀しみと思慕も感じられる映画」(ノア・バームバック)。

監督:フランソワ・トリュフォー
脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー、クロード・ド・シヴレー、ベルナール・ルヴォン
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:アントワーヌ・デュアメル
出演:ジャン=ピエール・レオー、クロード・ジャド、松本弘子、バルバラ・ラージュ、シルヴァーナ・ブラージ、ダニエル・ボーランジェ、ダニエル・ジラール、ダニエル・セカルディ、ピエール・ファーブル、ジャック・ジュアノー、ジャック・リスパル、クロード・ヴェガ
1970年/フランス/カラー/97分/原題:Domicile Conjugal
©1970 LES FILMS DU CARROSSE / VALORIA FILMS / FIDA CINEMATOGRAFICA
「ドワネルもの」四作目にあたる本作においては、前作の最後で婚約したドワネルとクリスチーヌが結婚し、子どもをもうける姿が描かれる。しかしドワネルは家庭生活に落ち着くどころか、日本人女性と不倫するなど相変わらずフラフラとして頼りない。もっとも、彼の無責任ぶりのせいで一時は危機的状況に陥った夫婦関係も、最後には元の鞘に収まる。作中に散りばめられたゴダール、アラン・レネ、ジャック・タチ、ジョン・フォード、ジャン・ユスターシュ、ジャンヌ・モローらへのオマージュや目配せを探してみるのも一興。

▶『逃げ去る恋』

「ドワネルの冒険」五作目。「ほんもののおとなになれず、子どものままでいる」(トリュフォー)
中年にさしかかったアントワーヌ・ドワネルを軽快に、だがその底に苦悩を滲ませつつ描く完結編。

監督:フランソワ・トリュフォー
撮影:ネストール・アルメンドロス
出演:ジャン=ピエール・レオー、マリー=フランス・ピジエ、クロード・ジャド、ダニ、ドロテ、ダニエル・メスギッシュ、ジュリアン・ベルト―、ロージー・ヴァルト
1979年/フランス/カラー/95分/原題:L'Amour en Fuite
©1979 LES FILMS DU CARROSSE
「ドワネルもの」五作目にして最終作。相変わらずさまざまな職と女性を転々としているらしいドワネルも今や30代半ばで、クリスチーヌとも離婚。そんなある日、彼はかつて失恋したコレットと再会し……過去四本の連作からの抜粋を回想場面として再利用しつつ、かつてコレット役を演じたマリー゠フランス・ピジェを再び起用してレオーと共演させるなど、完結編にして総集編と呼ぶにふさわしい作品となった。ただし長年にわたってドワネルと一体化していたレオーにとって、連作を終えてしまうことはつらい経験であったという。

▶『私のように美しい娘』

ベルナデット・ラフォンの陽気な人間的魅力が遺憾なく引き出された、男性社会に対する諷刺的視線を秘めた軽やかな犯罪喜劇。

監督:フランソワ・トリュフォー
原作:ヘンリー・ファレル(Editions Gallimard)
脚色・台詞:ジャン=ルー・ダバディ、フランソワ・トリュフォー
撮影:ピエール=ウィリアム・グレン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ベルナデット・ラフォン、クロード・ブラッスール、シャルル・デネル、ギー・マルシャン、フィリップ・レオタール、ジルベルト・ジェニア、ガストン・ウヴラール、アンドレ・デュソリエ、アンヌ・クレス
1972年/フランス/カラー/98分/原題:Une Belle Fille Comme Moi
©1972 LES FILMS DU CARROSSE/ SIMAR / COLUMBIA FILMS
アメリカ人作家ヘンリー・ファレルの同名犯罪小説を翻案した、軽快なタッチの諷刺喜劇。女性犯罪者をめぐる著作を準備中の若手社会学者が、殺人罪で服役中の娘カミーユへの取材を試みる。自らの半生をめぐるカミーユの談話を聞くうちに、学者は彼女に夢中になってしまい、その無実を証明しようとやっきになるが……男たちを手玉にとって生き延びる元気いっぱいのヒロインを、トリュフォーとの協働は最初期の短編『あこがれ』(57)以来となるラフォンが溌剌と演じた痛快篇。実は当初ヒロインをクロード・ジャドが、社会学者をトリュフォー自身が演じる予定だった。

▶『恋のエチュード』

『突然炎のごとく』の原作者ロシェの小説を翻案した、もう一つの親密にして激しい三角関係の物語。トリュフォー自身、本作を「傑作」だと考えていたといわれる。

監督:フランソワ・トリュフォー
原作:アンリ=ピエール・ロシェ(Editions Gallimard)
脚色:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー
撮影:ネストール・アルメンドロス
オリジナル音楽:ジョルジュ・ドルリュー 
出演:ジャン=ピエール・レオー、キカ・マーカム、ステーシー・テンデター、シルヴィア・マリオット、マリー・マンサール、フィリップ・レオタール
1971年/フランス/カラー/130分/原題:Les Deux Anglaises et Le Continent
© 1971 LES FILMS DU CARROSSE / CINETEL
20世紀初頭。パリ在住のフランス人青年クロードは、母の旧友である英国婦人の娘アンに誘われて、ひと夏をウェールズで過ごすことになる。英国でクロードは、アンの内気な妹ミュリエルと惹かれ合うようになるが……原作となったアンリ゠ピエール・ロシェの小説は、カトリーヌ・ドヌーヴとの別れが原因で鬱状態になったトリュフォーが、診療所に持ち込んだ唯一の書物だったとされる。ゆえにこの悲痛で美しい恋愛劇にも、彼の個人的感情が浸透している。本作はまた、レオーが初めてドワネル以外の重要な役柄を演じたトリュフォー映画でもある。

▶『突然炎のごとく』

「『突然炎のごとく』は生と死への賛歌であり、カップル以外にはいかなる愛の組み合わせも不可能であることを歓びと哀しみを通じて表明した作品である」(トリュフォー)。

監督:フランソワ・トリュフォー
原作:アンリ=ピエール・ロシェ(Editions Gallimard)
脚色・台詞:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー
撮影:ラウル・クタール
出演:ジャンヌ・モロー、オスカー・ウェルナー、アンリ・セール、マリー・デュボワ
1962年/フランス/カラー/106分/原題:Jules et Jim
©1962 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDIF
トリュフォーが敬愛してやまないアンリ゠ピエール・ロシェの半自伝的小説を翻案した、どこか宿命論的な三角関係の物語。第一次大戦前後の仏・墺・独を舞台に、ボヘミアン的生活様式と芸術愛好を共有する親友同士のジュールとジムが、気まぐれで奔放な女カトリーヌと出会ったことで始まる、彼らの長きにわたる奇妙な愛情生活が描かれる。何ものにも囚われない自由なヒロインを、ジャンヌ・モローがこのうえなく魅力的に演じている。国内外で高く評価されただけでなく世界的にヒットし、今や映画史上の古典としての地位を確立した作品。

▶『あこがれ』(短編)

ブリュッセル映画祭で最優秀監督賞を受賞した、トリュフォーにとっての「真の初監督作」。ベルナデット・ラフォンの映画デビュー作でもある。

監督・脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー
原作:モーリス・ポンス
撮影:ジャン・マリージュ
音楽:モーリス・ル・ルー
出演:ベルナデッド・ラフォン、ジェラール・ブラン、現地の少年達
1957年/フランス/モノクロ/18分/原題:Les Mistons
©1957 LES FILMS DU CARROSSE
習作短編『ある訪問』(54)に続く二本目の短編監督作だが、トリュフォー自身は本作を「真の初監督作」と呼んでいる。舞台となるのは南仏の田舎町。この町の小僧っ子たち(「小僧っ子たち」は本作の原題でもある)がひとりの若い娘にのぼせあがり、気を惹くために彼女とその恋人に悪戯を仕掛ける姿を描く。娘を演じるのはこの後ヌーヴェル・ヴァーグ映画を代表する女優の一人となるベルナデット・ラフォンで、恋人役は当時ラフォンの夫だったジェラール・ブランが演じている。撮影はラフォンの故郷でもあるニームで行われた。

▶『終電車』

ナチスへの秘かな抵抗を続けながら上演活動を続ける劇団の女座長。その奮闘ぶりを、スリルとロマンスを絡めて描いた、トリュフォー映画中最大の世間的成功を収めた一本。

監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、シュザンヌ・シフマン
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレア・フェレオール、ポーレット・デュボスト、サビーヌ・オードバン、ジャン=ルイ・リシャール、モーリス・リッシュ、ハインツ・ベンネント
1980年/フランス/カラー/131分/原題: Le Dernier Métro
©1980 LES FILMS DU CARROSSE / TF1 / SEDIF / SFP
1942年、独軍占領下のパリ。モンマルトル地区を拠点とする女優マリオン率いる小劇団が、検閲、反ユダヤ主義、物資不足に抵抗しながら上演を継続し、文化の灯を絶やすまいと奮闘する姿を描きつつ、ヒロインを中心とする三角関係の物語をもサスペンスフルに綴っていく。占領下のパリを舞台とする映画を撮ることは、トリュフォーにとって長年の念願だった。セザール賞10部門(最優秀作品賞と最優秀監督賞を含む)で受賞し、フランスのみならず米国でもヒットした。トリュフォーがフランス映画界を代表する正統派作家として認められたことを印象づけた作品。強い意志を持つヒロインのマリオン役は、ドヌーヴを想定して書かれた。

▶『野性の少年』

「精神的父親」アンドレ・バザンと「孤独な非行少年」トリュフォーの関係が重ねられるかにも見える、感動的な医師と野生児の物語。

監督:フランソワ・トリュフォー
原案・脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー/ジャン・グリュオー
撮影:ネストール・アルメンドロス
出演:ジャン=ピエール・カルゴル、ジャン・ダステ、フランソワ・トリュフォー、フランソワ・セニーエ
1969年/フランス/モノクロ/85分/原題:L'Enfant sauvage
©1969 LES FILMS DU CARROSSE / LES PRODUCTIONS ARTISTES ASSOCIÉS
フランス人医師ジャン・イタールが、19世紀初頭に発表した「アヴェロンの野生児」をめぐる諸論考に基づく作品。もともとトリュフォーは家庭や社会に受け入れられない子どもや、他者との意思疎通に困難を抱える子どもに深い関心を抱いていた。そうした関心傾向が、捕獲され一度は知的障碍と診断されるもイタールの努力により多少の人間らしさを取り戻した野生児の実話に彼を惹きつけたのだった。白黒で撮られた本作ではトリュフォー自らイタールを演じ、見捨てられた子どもに教育を授け、愛情を注ぐ人物を演じる。本作を観たスピルバーグは、『未知との遭遇』に俳優としてトリュフォーを起用した。

▶『アデルの恋の物語』

新進女優イザベル・アジャーニの鬼気迫る演技に世界が注目した、(狂気の)愛をめぐるきびしくもロマンティックな内省。

監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー、シュザンヌ・シフマン
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:モーリス・ジョーベール (éditions SIDONIE)
出演:イザベル・アジャーニ、ブルース・ロビンソン、シルヴィア・マリオット、ジョゼフ・ブラッチリー、イヴリー・ギトリス
1975年/フランス/カラー/97分/原題:L'Histoire d'Adèle H.
©1975 LES FILMS DU CARROSSE / LES PRODUCTIONS ARTISTES ASSOCIÉS
文豪ヴィクトル・ユゴーの次女アデルの日記に基づき、19世紀半ばに彼女が経験したあるできごとを描いた作品。『野性の少年』で歴史的事実に基づく映画作りの楽しさに気づいたトリュフォーは、本作で再びそれを試す機会を得る。たまたま出会った英国人将校に、報われることのない強迫観念的な愛を寄せ続けるアデル役には、当時20歳のイザベル・アジャーニが抜擢された。本作における演技で、彼女は史上最年少でオスカー主演女優賞候補となるなど高く評価された。また作品自体、批評家たちから絶賛され、国内外の映画賞を多数受賞している。

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