初めて知った胸のときめきと、甘く秘めやかなファーストキスの味。若かったから無我夢中になれた。若かったから無鉄砲にもなれた。世界が輝きに満ちていた、切なささえ懐かしい、あの青春の日々……。

世代を越えて観客を惹きつけスマッシュヒットを飛ばした、『建築学概論』『あの頃、君を追いかけた』に続く、アジアの良質な初恋ムービー第3弾の登場である。

1990年代。18歳になったチョン・ウェイは、希望に胸を膨らませて、新入生歓迎に沸く大学キャンパスに足を踏み入れる。幼い頃から憧れ続けた先輩リン・ジンを追って、彼が通う大学と同じ街にある理工大学に入学したのだ。
けれど、さっそく訪ねたリン・ジンは、彼女に何も告げずに海外留学してしまっていた。落ち込むウェイを元気づけるルームメイトのルアン、ウエイジュアン、シャオペイに、面倒見の良い先輩チャン・カイたち。
持ち前の明るさを取り戻し、大学生活を謳歌するウェイの前に、真面目で無口な男子学生チェン・シアオチョンが現れる。最悪の出会いから、顔を合わせれば口喧嘩ばかりにもかかわらず、いつしか彼への反発が恋心に変わっていることに気づくウェイ。その日から、ウェイの猛烈なラブアタックが始まる。
初めこそ、迷惑顔で彼女を拒むシアオチョンだったが、ウェイの物怖じしない天真爛漫さに次第に心を開き、2人はベストカップルとなる。幸せな4年間の大学時代は瞬く間に過ぎ、卒業の季節が近づく。それは、2人にとって、ある選択を迫られる、人生のターニングポイントでもあった。

メガホンを取るのは、本作で監督デビューを飾ったヴィッキー・チャオ。大ヒット作『少林サッカー』（01）や、中井貴一と共演した『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』（03）、ジョン・ウー監督の歴史アクション超大作『レッドクリフ』（08）などで日本でも人気高い、中国映画界を代表する美人女優である。