公式サイト: http://algeri2016.com
20世紀を代表する戦争映画の記念碑的傑作
目をひらけ、耳をかたむけろ。
【終了日:3/31(金)】
【原題】La Battaglia Di Algeri
【監督】ジッロ・ポンテコルボ
【キャスト】ジャン・マルタン,ヤセフ・サーディ,ブラヒム・ハギアグ,トマソ・ネリ,ファウジア・エル・カデル
1966年/イタリア,アルジェリア /121分/コピアポア・フィルム /DCP
3月18日(土)〜3月24日(金) |
09:05〜11:05 |
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3月25日(土)〜3月31日(金) |
17:00〜19:05 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
1967年、日本を代表する映画雑誌『キネマ旬報』が例年発表する外国映画年間ベスト・テンにおいて『気狂いピエロ』(ジャン=リュック・ゴダール監督)や『欲望』(ミケランジェロ・アントニオーニ監督)といった名立たる傑作をものともせず圧倒的な差で第1位の栄冠を勝ちとった作品があります。1954年から1962年にかけて行われた、フランスの支配に対するアルジェリアの独立戦争を描いた『アルジェの戦い』(1966製作)です。ユダヤ人の家庭に生まれ、第二次世界大戦中レジスタンス運動のリーダーとして活躍した監督のジッロ・ポンテコルヴォは、ネオ・レアリズモの傑作『戦火のかなた』(ロベルト・ロッセリーニ監督)に感銘を受け映画の世界へ足を踏みいれた人物。ジャーナリスト出身の彼は映画を作るにあたって記録映像を一切使わず、目撃者や当事者の証言、残された記録文書をもとにリアルな劇映画として戦争の実体をドキュメンタリー・タッチで詳細に再現しています。
【“反仏映画”として賛否両論を引き起こした衝撃作が、50年を経てよみがえる】
アルジェの旧市街カスバで実際の戦闘に従事し、劇中でFLN幹部ジャファー役を演じたヤセフ・サーディが製作に参加。クエンティン・タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』で本年度アカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞したイタリアが誇るマエストロ、エンニオ・モリコーネ(『荒野の用心棒』『ニュー・シネマ・パラダイス』)が緊張感あふれるスコアを提供し、アルジェリア市民8万人が撮影に協力。マチュー中佐役のジャン・マルタンを除き、主要キャストには実戦経験者を含む素人たちが多数起用されています。戦車、武器類はアルジェリア軍より調達、フランス映画『望郷』の舞台となったカスバでオールロケを敢行、5年の歳月をかけて作られた本作。1966年ベネチア国際映画祭でグランプリにあたる金獅子賞を受賞した折には、当時現地入りしていたフランス代表団が“反仏映画”として反発し、映画監督フランソワ・トリュフォーを除いて全員が会場を退席したという衝撃的なエピソードを残しています。
【アルジェリア戦争の真実を描き出した本作が、私たちに訴えかけるメッセージとは?】
FLN(アルジェリア民族解放戦線)とフランス軍。相対する当事者たちを分けへだてなく描写し、戦争に巻き込まれていく一般市民たちの日常に加え、ゲリラ作戦の詳細や壮絶な市街戦をクールなモノクロ撮影とジャーナリスティックな視点で冷徹に写しとったこの映画は、現在でも独立戦争の記憶遺産としてアルジェリアでは高い人気を誇り、見るものを戦場の真っ只なかにいる様な気分にさせる鮮烈な表現は時代をこえて輝いています。難民や移民の流出、頻発するテロの恐怖等、激動の世紀に生きる私たちにとって、ポストコロニアルの視点でつらぬかれた本作の歴史的価値は計り知れないものと言えるでしょう。
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