SUPER FOLK SONG ピアノが愛した女。 screen ベティ

ピアノと唄だけの“一発録”レコーディング。音楽史に残る伝説のドキュメンタリー・フィルム※特別料金
【終了日:6/30(金)※1週限定上映】

【監督】坂西伊作
【キャスト】矢野顕子,鈴木慶一,谷川俊太郎,糸井重里,三浦光紀
1992年/日本/79分/ソニー・ミュージックダイレクト/DCP

十分余裕をもってお座りいただけます。
6月24日(土)〜6月30日(金)
19:40〜21:05
  一般 大専 シニア
通常 ¥2,000 ¥2,000 ¥2,000
会員 ¥2,000 ¥2,000 ¥2,000
高校生以下・しょうがい者:¥2,000
一律2000円/各種割引対象外/ポイントカード・招待券などによる無料鑑賞不可
☆6/24(土)19:40回上映後、初日舞台挨拶
登壇者:三浦光紀さん(出演者・音楽プロデューサー)
三浦光紀さんプロフィール:
1972年、名盤の宝庫「ベルウッドレコード」を設立し、はっぴいえんど、大瀧詠一、細野晴臣、高田渡、小室等、あがた森魚、はちみつぱい等々を手掛ける。1975年日本フォノグラム(フィリップスレコード)に移籍。矢野顕子を発掘育成。その後も様々なアーティストの作品の発掘・プロデュースを手掛ける音楽プロデューサー。

☆連日、本編上映前に東京公開時の舞台挨拶映像を上映(約5分)

☆豪華来場者プレゼント決定!
・6/24(土)入場者に先着でポスタープレゼント(100枚)
・6/28(水)入場者に抽選で特製トートバッグプレゼント(10個)
・6/30(金)入場者に抽選で特製缶バッジプレゼント(10個)

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ピアノが愛した女。

カバー・アルバムの名盤『SUPER FOLK SONG』
ピアノと唄だけの“一発録”レコーディング
極度に緊迫した空間で矢野顕子の一挙手一投足を余すところなく捉えた、音楽史に残る伝説のドキュメンタリー・フィルム。
現代技術でレストア&リマスタリングされ、四半世紀の時を経て、期間限定劇場上映。

【Introuduction】

1992年、矢野顕子が新たなチャレンジとして選んだのが、生演奏をノーカットで録音した『SUPER FOLK SONG』だった。観客のいないホールでグランドピアノに向かい、新旧の名曲を歌う彼女を捉えた名盤だ。その制作過程にカメラが入り、容赦なく素顔の彼女を追いかけた。それが、スーパー・ドキュメンタリー・フィルム『SUPER FOLK SONG』だ。24年ぶりにデジタル・リマスターされ公開される映像と音像は、生々しいまでに当時を蘇らせている。
 
『SUPER FOLK SONG』の制作は、‘92年2月、東京・千駄ヶ谷の津田ホールと、長野県松本市のザ・ハーモニーホールで行われた。真冬の松本でもノイズが入るからと空調を切り、お湯で手を温め白い息を吐きながらの録音・収録だったそうだ。
1976年のソロ・デビュー以来、リトル・フィートにイエロー・マジック・オーケストラ、パット・メセニーなど 国内外の一流ミュージシャンと演奏し高い評価を得ていた彼女が、すっぴんのような作品を作ったのは何故だったのだろう。振り返って矢野が言う。
 
「弾き語りで(アルバムを)出したのは、これが初めてじゃないかな。今はピアノだけの矢野顕子の作品は、ある程度の評価があるでしょ?でもそういうことになる前だったので。おそらくこれで、できた」
 
ライブでは一人でピアノの弾き語りをやる”出前コンサート”もやっていたけれど、レコーディングは違う。
 
「陶芸家が土を練って、窯で焼いて、出して、”ダメだ、ガチャーン!”みたいなことしてるのがレコーディング。その中で一番いいものをお出しするのがライブであって。”ダメだ、ガチャーン!”は自分のためだから」
 
その”ダメだ、ガチャーン!”をカメラは冷静に捉えていく。苛ついたり落ち込んだり、試行錯誤を繰り返し、最後に笑顔を浮かべる。レコーディング・エンジニアの吉野金次は彼女のペースに合わせて忍耐強くテープを回し、マネージャーは優しく言葉をかけて彼女の緊張をほぐす。その姿もカメラは逃さない。
 
「私の音楽が生まれる場を、本来はひとに見せるべきではないというか、見せることが頭の中にないから。それを撮るのは監督の坂西伊作の仕事。私は自分の音楽を作ることをするだけ。だから彼らのためにサービスすることは一切やっていない。でも彼は、それを撮りたかったって。あの時代の、若さであり、力であり。それをパッケージとして、フィルムに収めたことが、素晴らしいですね。だって、二度と撮れないもん。見てる人も一緒に、”あ〜”とか”できた!”とか、一緒に楽しんでもらえるかしら。面白いよ!って言える。ものを作るひとだったら、共感してくれるところは、多々あるんじゃないかな」
 
今ならもっとリラックスしている、と笑う彼女だが、作品に向かう厳しさは変わらない。凛としたアーティストの姿勢が見える、貴重な映像作品だ。
(今井智子)

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