1989年ベルリンの壁崩壊、1990年東西再統一。置き去りにされた人達の哀しみー。
【終了日:2019年5/10(金)】
【原題】In den Gangen
【監督】トーマス・ステューバー
【キャスト】フランツ・ロゴフスキ,サンドラ・フラー,ペーター・クルト,アンドレアス・レオポルト,ミヒャエル・シュペヒト
2018年/ドイツ/125分/彩プロ/DCP
4月27日(土)〜5月03日(金) |
13:10〜15:15 |
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5月04日(土)〜5月10日(金) |
08:30〜10:35 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
【旧東ドイツの巨大スーパーで働く人たち、
そのつましい世界のぬくもり】
腕や首の後ろにタトゥーを入れた無口な青年クリスティアンは、巨大スーパーマーケットの在庫管理係として働き始める。旧東ドイツ、ライプツィヒ近郊。店の周囲には畑地が一面に広がり、遠くにアウトバーンを走る車が見える。仕事を教えてくれる中年男性ブルーノはクリスティアンを言葉少なに見守る。年上の魅力的な女性マリオンへの一途な思いは、恋の喜びと苦しみを教えてくれる。ここで働く者たちは、みな、素朴で、ちょっと風変わりで、心優しい。それぞれに心の痛みを抱えるからこそ、たがいに立ち入り過ぎない節度がある。それが、後半に起きる悲しい出来事の遠因になったのかもしれないが、彼らは喪失の悲しみを静かに受けとめ、つましく生きていくのだ。いま目の前にある小さな幸せに喜びを見出すことで日々の生活にそっと灯りをともす。そんな彼らの生きる姿勢が、深い共感と感動を呼びおこし、静かな波のざわめきのように深い余韻を残す。
【ドイツの実力派俳優たちが表現する、東ドイツ人の今】
主人公のクリスティアンを演じるのは、フランツ・ロゴフスキ。ミヒャエル・ハネケ監督作品『ハッピーエンド』(17年)でイザベル・ユペールのうだつの上がらない息子を演じた、注目のドイツ人男優だ。ホアキン・フェニックスに似た翳りのある風貌で、内面にさまざまな葛藤を抱える寡黙な青年を好演し、本作で第68回ドイツアカデミー賞主演男優賞を受賞。
彼が一目惚れする年上の女性マリオンを演じるザンドラ・ヒュラーは、『ありがとう、トニ・エルドマン』(16)で仕事中毒の女性を演じて数多くの主演女優賞を獲得した、ドイツを代表する女優のひとり。クリスティアンに心惹かれながらも自分からは踏み出せないマリオンの心の揺れをチャーミングに演じている。
クリスティアンの上司ブルーノ役のペーター・クルトは、『グッバイ、レーニン!』(03)や『僕とカミンスキーの旅』(15)などに端役出演した中堅男優で、ステューバー監督の初長編映画『ヘビー級の心』では主演を務めた。かつての楽しかった時代を語るブルーノの姿は強い印象を残す。ちなみに、ザンドラ・ヒュラーとペーター・クルトもまた、旧東ドイツ生まれである。
【STORY】
内気で引きこもりがちなクリスティアン(27歳) (フランツ・ロゴフスキ)は、ある騒動の後に建設現場での仕事をクビになり、在庫管理担当としてスーパーマーケットで働き始め、レジでの雑踏やフォークリフトなど、自分にとって全く未知の世界に放り込まれる。そして彼はルディ(アンドレアス・レオポルト)、クラウス(職場で唯一ハンドパレットトラックの操縦を許可されている) (ミヒャエル・シュペヒト)、ユルゲン、飲料セクションのブルーノ(ペーター・クルト)と出会う。ブルーノは、クリスティアンに仕事のいろはやフォークリフトの操縦の仕方を教え、クリスティアンにとって父親のような存在になる。通路で、クリスティアンはスイーツセクションの同僚のマリオン(39歳) (ザンドラ・ヒュラー)と出会い、彼女の謎めいた魅力に一瞬で惹かれる。コーヒーマシーンのある休憩所が彼らのおきまりの場所となり、二人は親密になっていくが..
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