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孤高の映像作家ロベール・ブレッソンによる幻の傑作【終映日:2022年4月15日(金)】
【原題】Le diable probablement
【監督】ロベール・ブレッソン
【キャスト】アントワーヌ・モニエ,ティナ・イリサリ,アンリ・ド・モーブラン
1977年/フランス/93分/マーメイドフィルム,コピアポア・フィルム/DCP
4月02日(土)〜4月08日(金) |
12:35〜14:20 |
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4月09日(土)〜4月15日(金) |
15:05〜16:50 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,100 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,100 |
孤高の映像作家ロベール・ブレッソン美学の到達点、ついに日本初公開
『抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より』(56)『スリ』(59)『やさしい女』(69)などで知られるフランスの映画監督、ロベール・ブレッソン。プロの俳優をキャスティングせず素人を起用するなど、過度な演出を徹底的に排除して真実そのものを追求する映像表現〈シネマトグラフ〉を標榜。ゴダールらヌーヴェルヴァーグの作家たちをはじめ世界中の映画人に多大な影響を及ぼし、寡作ながら唯一無二の傑作を生み出してきた彼の、日本では特集上映などを除き劇場未公開だったふたつの作品『湖のランスロ』『たぶん悪魔が』が40年以上の時を経てついに公開。しかも両作とも最新の技術を駆使した4Kデジタルリマスターによって美しい映像が見事に甦る。
裕福な家柄の出でありながら自殺願望に取り憑かれている美しい青年シャルルは、政治集会や教会の討論会に顔を出しても違和感を抱くだけで何も解決しない。環境問題の専門家である親友のミシェルや、シャルルに寄り添おうとするふたりの女性、アルベルトとエドヴィージュらと同じ時間を共有しても死への衝動を断ち切ることができない。冤罪で警察に連行されたシャルルは一層虚無に苛まれ、やがて銃を手にする……。
自然破壊が進み、社会通念が激変しつつある1970年代のパリを舞台に、ひとりの若者の死と生を見つめる終末論的な本作。本国フランスでは18歳未満の鑑賞が禁じられたほどの絶望に満ちた内容、急進的な社会批判などが影響してか我が国では長らく日の目を見ることがなかったが、国際的には〈シネマトグラフ〉のひとつの到達点として高い評価を受け、その証拠に第27回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞している。深刻な社会不安、環境危機が叫ばれる今だからこそ観られるべき作品であると同時に、ブレッソンは普遍的な個人の危機を丹念に見つめる。もちろんキャストは非職業俳優でありながら、フランソワ・トリュフォーはこの作品を「すばらしく官能的」な作品であるとして、特にメイン4人の若者たちの美しさを称賛している。撮影は『ベニスに死す』(71)といったヴィスコンティ監督作や『湖のランスロ』『ラルジャン』(83)などのパスクァリーノ・デ・サンティス。
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