イタリアの巨匠モレッティの巧みな演出に引きこまれる!ローマ、同じアパートに暮らす3つの家族の物語
【終映日:2022年10月28日(金)】
【原題】Tre piani
【監督】ナンニ・モレッティ
【原作】エシュコル・ネヴォ
【キャスト】マルゲリータ・ブイ,リッカルド・スカマルチョ,アルバ・ロルヴァケル
2021年/ イタリア=フランス/119分/ チャイルド・フィルム/DCP
10月08日(土)〜10月14日(金) |
11:00〜13:05 |
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10月15日(土)〜10月21日(金) |
12:50〜14:55 |
10月22日(土)〜10月28日(金) |
09:00〜11:00 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,200 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,200 |
ローマの高級住宅街。同じアパートに住む3つの家族。
顔見知り程度の隣人の扉の向こう側の顔を誰も知らない。
ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住む裁判官夫婦の息子アンドレアだった。2階のモニカは夫が長期出張中のため一人で出産のため病院に向かう最中で、1階の夫婦は仕事場が崩壊したので娘を朝まで向かいの老人に預けることにした。小さな選択の過ちが、予想もしなかった家族の不和を引き起こし、彼らを次第に追い詰めていく。彼らが手にする未来の扉を開く鍵とは?スリリングな展開に目が離せなくなる。
巨匠モレッティが卓越した演出で見せる緊迫のドラマ
「息子の部屋」でパルム・ドールを受賞以来、カンヌ国際映画祭の常連となったモレッティ。俳優として3階の父親役を演じるほかマルゲリータ・ブイをはじめアルバ・ロルヴァケルやリッカルド・スカマルチョらイタリアを代表する俳優たちが出演しているのも見逃せない。
【Director's Comment】
この映画はエシュコル・ネヴォの小説が原作で同じ建物に暮らす3つの家族のお話です。罪悪感、選択の結果、正義、親としての責任など、普遍的なテーマを扱っています。登場人物たちは脆く怯えていて、恐怖と強迫観念に駆られ、しばしば極端な行動をとってしまいます。その理由は私たちにはよく理解できるものです。小説では危機の真っ最中に物語が終わります。しかし映画では、物語を最後までたどり、登場人物の行動が彼ら自身や彼らの愛する人たちの人生に与える影響を探ることが重要だと考えました。
それぞれの物語は1つの映画のように展開し、やがて互いに絡み合っていきます。ひとりの人物から別の人物へ物語が移っていく中、物語を中断したり、シーンの切り替えを追加したりすることは考えられませんでした。小説で扱われたテーマの深さから、映画は本質的なものに絞り込むべきであり、雑念や脱線のないドライなトーンであるべきだと考えたのです。
私たちが子供たちに残す自然遺産について多くの議論が交わされる今日においても、倫理的・道徳的遺産という観点から何を残すかについては、ほとんど語られていません。私たちの行動ひとつひとつが、たとえ家庭のプライバシーであっても、将来の世代に影響を与えるものなのです。私たち一人ひとりがこの事実を認識し、その責任を負わなければなりません。私たちの行動が、子供たちに影響を与えるのです。この物語は、私たちがいかに孤立した生活を送り、もはや意識することもない、あるいは使い捨てのコミュニティから、自分をどれほど遠ざけてしまっているかを描写しています。また、自分をコミュニティの一部と感じるために、私たちがどれほど集団的努力に関与しているかを示しています。この映画は、私たちの家庭の壁の外に存在する外の世界へ、心を開くよう誘っているのです。今、私たちは、この3つのフロアのいずれかに自分自身を閉じ込めないようにすることが重要です。
(C)2021 Sacher Film Fandango Le Pacte
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