私の想う国 screen ベティ

リーダーもイデオロギーも不在のチリの新しい運動の主流となったのは、若者と女性たちだった

【原題】Mi pais imaginario
【監督】パトリシオ・グスマン
2022年/チリ・フランス合作/83分/アップリンク/

1月18日(土)〜1月24日(金)
12:20〜13:50
1月25日(土)〜1月31日(金)
18:50〜20:20
2月01日(土)〜2月07日(金)
12:25〜13:55
  一般 大専 シニア
通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,200
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,200
高校生以下・しょうがい者:¥1,000
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世界最高のドキュメンタリー映画と評される名作『チリの闘い』で知られるパトリシオ・グスマンが捉える

2019年、突然チリのサンティアゴで民主化運動が動きだした。その口火となったのは、首都サンティアゴで地下鉄料金の値上げ反対がきっかけだった。その運動は、リーダーもイデオロギーもなく、爆発的なうねりとなり、チリの保守的・家父長的な社会構造を大きく揺るがした。運動の主流となったのは、若者と女性たちだった。150万の人々が、より尊厳のある生活を求め、警察と放水車に向かってデモを行ったのだった。

それは2021年36歳という世界で最も若いガブリエル・ボリッチ大統領誕生に結実する。

目出し帽に鮮やかな花をつけデモに参加する母親、家父長制に異を唱える4人の女性詩人たち、先住民族のマプチェ女性として初めて重要な政治的地位についたエリサ・ロンコンなど、多くの女性たちへのインタビューと、グスマン監督自身のナレーションが観客に寄り添い、革命の瞬間に立ち会っているかのような体験に我々を誘う。

かつてのチリの大統領サルバドール・アジェンデが始めた「永遠の改革」を捉えた世界最高のドキュメンタリー映画と評される名作『チリの闘い』、チリ弾圧の歴史を描いた 3 部作『光のノスタルジア』、『真珠のボタン』、『夢のアンデス』に続き、グスマン監督は過去の記憶と往来を重ね、劇的に変わりゆくチリを、若者と女性中心の新たな社会運動を前にして希望を信じ、かつて想像した国が実現することに願い込めて女性たちの言葉にフォーカスを当て記録した。

1970年から73年にかけてサルバドール・アジェンデ大統領の社会主義政権下で活動していたパトリシオ・グスマンはピノチェト軍事政権誕生によって迫害され、国外で亡命生活を送っていた。

あれから50年が過ぎようとしていた中で、2019年地下鉄の料金値上げがきっかけで、突然チリの民主化運動が動き始めた。グスマンは、すぐにも、遠く離れた祖国に戻り、民主化運動を記録しようと考えたが、コロナ等の状況で、1年近く遅れて、祖国に入る。そこで、グスマンが見た社会運動は、自分が50年前に見た社会主義政権の誕生時の熱狂にも通じるものがあり、懐かしさを覚えたが、50年前の革命とは、様々な面で異なっていた。

50年前は政党や労働組合等の団体が主導の運動であったが、21世紀の革命は、リーダーもイデオロギーもなく、政党とも無関係で、主体となったのは、若者や女性たちだった。かつては、政党や組織が主役であったが、今回は家父長制度が色濃く残るチリ社会の中で抑圧され続けた女性たちが主役であった。グスマンは、かつての社会運動との相違点に戸惑いながらも、女性たちが主役となり、150万人の人々が、より尊厳ある生活を求めて、警察や軍隊に立ち向かう姿に感動し、50年前に自分が想像した民主的な国になろうとしているチリの姿に感動する。この社会運動は、2022年に左派勢力の当時36歳のガブリエル・ボリッチが大統領選で勝利することにより結実する。グスマンは、自分たちの失われた歴史が受け継がれ、理想の国を作っていこうとするチリの姿に大きな期待を寄せる。


(C)Atacama Productions-ARTE France Cinema-Market Chile/2022/

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