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【終了日:2025年8月1日(金)】
【監督】真喜屋力
【キャスト】石川真生,金城政則,牧瀬茜,ほたる,とんちピクルス
2024年/日本/90分/
7月26日(土)〜8月01日(金) |
11:55〜13:30 |
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一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,900 | ¥1,500 | ¥1,300 |
会員 | ¥1,600 | ¥1,200 | ¥1,200 |
STORY
首里劇場は1950年に建てられた木造の映画館。戦後復興の中で生まれた劇場は、個人経営だが地域文化の中心として大いに賑わった。時代を経て映画が斜陽産業になると、首里劇場は成人映画専門館として糊口をしのいでいた。三代目館長の金城政則は、老朽化した成人映画館を引き継ぎ、20年近く守り続けていた。2021年、名画座への回帰をはかり話題となるが、金城館長は翌年、癌のために急逝。劇場は閉館となり、解体の日を待っていた。
戦前の劇場様式を引き継ぐ首里劇場は、ゴシック建築の幽霊屋敷のような風格を持っていた。静謐な空間には、誰かの気配が漂っているようだった。
写真家の石川真生が首里劇場にやって来る。病を抱えながらも精力的に活動を続ける石川。彼女は、かつて沖縄芝居の劇団に同行して、沖縄のあちこちにあった劇場を取材した経験もあり、この滅びゆく沖縄最後の木造劇場にも興味を持ったのだ。石川真生は人間を撮ってきた写真家だ。撮影対象と深く関わり、生々しく赤裸々な写真、生きた人間の記録を撮り続けている。その石川の目に、人のいなくなった首里劇場はどのように映ったのだろうか。
石川真生の物語と並行し、亡くなった金城館長の甥・金城裕太が、館長の自宅で家族の歴史を語る。それは、人々で賑わい、華やかだった頃の首里劇場ではなく、成人映画館を営むとある家族の楽しかった日々の思い出だった。
首里劇場には、他にもさまざまな人々が訪れる。
閉ざされた劇場を後世に伝えるための内覧会ツアーのガイド・平良竜次は、首里劇場の近くで育ち、館長とも交流を深めながらたびたび劇場でのイベントを開催してきた。成人映画の女優で映画監督のほたるは、劇場に残る積み上げられたポスターを丁寧にめくり、自らが関わった映画タイトルを探しながら劇場の歴史をたどる。かつて福岡の成人映画館「オークラ劇場」で映写技師をしていたとんちピクルスの松岡浩司は、惜別の思いを込めて首里劇場のステージで歌う。それぞれが、それぞれの人生と首里劇場を重ねていく。
やがて石川は、踊り子の牧瀬茜を撮影のモデルに招く。ストリッパーとして日本各地の劇場を渡り歩き、その栄枯盛衰を見てきた牧瀬のパフォーマンスは、解体目前の首里劇場に最後の華やかな煌めきを与え、石川はその姿に何度もシャッターを押す。
廃虚のような首里劇場を舞台に、生きることの切なさ、たくましさが、人間くさいユーモアとともに語られていく。そして劇場の解体の日が近付いてくる。
(c) 2024 劇場が終わるとき
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