公式サイト: http://apocalypsenow2016.com
血まみれの歴史に「ジ・エンド」を!
公開35年を経てオリジナル・ヴァージョンが蘇るー
【終了日:7/29(金)】
【原題】Apocalypse Now
【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【キャスト】マーロン・ブランド,ロバート・デュバル,マーティン・シーン,フレデリック・フォレスト,デニス・ホッパー
1979年/アメリカ/147分/boid /DCP
7月16日(土)〜7月22日(金) |
20:40〜23:10 [レイト] |
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7月23日(土)〜7月29日(金) |
09:30〜12:00 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,200 | ¥1,000 | ¥1,000 |
【『ゴッドファーザー』から『地獄の黙示録へ』】
『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザーPART II』の世界的な大ヒットの後、フランシス・フォード・コッポラがその資産をつぎ込んで作り上げたのは、ベトナム戦争映画だった。原作となったのは1902年に出版されたジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』。小説の舞台となるのは当時のコンゴ川の流域で、そこには当時、ベルギー国王レオポルド2世の私有地としての「コンゴ自由国」が存在、そこでの搾取などが国際社会で問題となっていた。小説はその事実を背景に、フランスの貿易会社の物語へと骨組みを変えて、主人公がコンゴ川の奥地に住む「クルツ」(英語読みはカーツ)と呼ばれる貿易会社の代理人を訪ねる旅として語られる。コッポラはさらにそれを現代のベトナムの物語へと作り変えたのである。
【アメリカの黎明期から支配の時代の終わりへ】
当然、それは通常の「戦争映画」になるはずもない。ベトナムのジャングルが人間の心の闇とも重なり、戦争の恐怖は生きることの恐怖となり、戦いの果ての向こう側に向けての闇の中への潜行となる。果たしてそこに着地点はあるのか? ベトナム戦争終戦後、その先が見えない西欧社会の行き詰まりの中で、「その後」を模索するアメリカの露わな姿をそこに見て取ることもできる。「アメリカ」の黎明期の物語とも言える『ゴッドファーザー』の後、コッポラは「アメリカ」の終わりであり、新たな始まりの物語を作り上げたのだ。
【難航した製作と混乱】
製作は難航を極めた。さまざまなトラブルにより何度も撮影は中断。キャストも変更。スタッフも入れ替わり、当然経費も莫大なものとなり、1200万ドルの当初の予算は3100万ドルへと膨れ上がった。その経費の多くはコッポラ自らの出資である。コッポラこそがジャングルの闇の中で暮らすカーツ大佐となったのだとも言えるだろうか。カーツ大佐の混乱を、監督自身も生き、そして映画が出来上がる。
【オリジナル・ヴァージョンでの公開】
その公開から36年。混乱の中で出来上がった映画はいまだに生き物のように、姿を変えるはずだ。21世紀初頭にさらに50分ほどが付け加えられて「特別完全版」となって上映された『地獄の黙示録』だが、今回はそれより50分短いオリジナル・ヴァージョンでの公開。後に付け加えられた慰問に訪れたプレイメイトたちのプライヴェートなエピソードや、ベトナムで大規模農園を営むフランス人一家のエピソードなどがない、主人公のウィラード大尉の行動をシンプルに追ったストーリー。そして、さまざまな製作途中のトラブルのためか、エンディングのクレジットもないヴァージョンである。不意に、真っ黒な画面となって映画は終わる。まさに暗闇の中にわたしたちは放り出されてしまうのである。
【36年ぶりに「終わりの始まり」を振り返る】
その時再び、映画の冒頭で流れたドアーズの名曲「ジ・エンド」が、わたしたちの脳裏をよぎるだろう。終わりから始まったこの映画が、旅の進行とともに混迷を深め、まさに「闇の奥」へと突き進むとき、この映画の出発点である何かの終わりに立ち戻り、わたしたちの36年を振り返ってみたい。ジャングルの中の戦いの果ての風景は、今の日本の中でいったいどんなふうに見えるだろうか? この36年間に世界中で起こったさまざまな出来事は、この映画とどんなふうに重なり合ってくるだろうか?
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