人間爆弾「桜花」 特攻を命じた兵士の遺言 screen ベティ

22歳、神雷部隊桜花隊の第一志願兵となった。そして23歳の自分は、同志の名を黒板に刻み、死へと送り出した【終了日:12/16(金)※1週限定上映】

【原題】Parole de kamikaze
【監督】澤田正道
【キャスト】林冨士夫
2014年/フランス/76分/太秦/DCP

12月10日(土)〜12月16日(金)
09:25〜10:45
  一般 大専 シニア
通常 ¥1,800 ¥1,500 ¥1,100
会員 ¥1,500 ¥1,200 ¥1,100
高校生以下・しょうがい者:¥1,000
前売り券を1,300円にて販売中
販売場所:劇場窓口(公開前日まで)、ネットショップ(12/6(火)まで)有隣堂伊勢佐木町本店(上映期間中も販売)
パンフレットをネットショップで販売中
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おれは育てて、
鉛筆の先で
殺したんだ・・・

林冨士夫は、人間爆弾と言われた特攻兵器「桜花」の第一志願兵であった。
特攻部隊の正式名称は、神雷部隊桜花隊。当時、海軍大尉であった彼は、上官から出撃隊員を選ぶよう命じられ、隊員の中から選出し、その名を黒板に書き、多くの同士達を死へと送り出す役目を担っていた。苦楽を共にした同士、友人達を送りだし、絶望的な選局の中で彼は自分の行く時を必死に探し求めたが、その時を待たずして戦争は終わりを迎える。敗戦の混乱、激動の時代の中で、彼はあの時代に向き合い続けること、凝縮された神雷部隊での1年半の記憶を語り継ぐことを自身に課していく。そんな中、天皇に対し「特攻に散った若者たちへ、一言でも謝罪、感謝の発言がなかったことは、非常に残念なことと思いました。その一言くらい言われるのが、人間天皇という事になるのではないか」と無念の思いを吐露するのだった_。

【日本で初めての特攻志願兵が、亡き特攻隊員に語りかける遺言とも言うべき鎮魂のドキュメンタリー】

近年では第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した深田晃司監督『淵に立つ』、河瀬直美監督作『あん』『2つ目の窓』、黒沢清監督作『岸辺の旅』、今村昌平監督作『カンゾー先生』などをプロデュースし、多くの日本映画をカンヌ国際映画祭に送り出した澤田正道が初監督。30年以上フランスに住み、日本を俯瞰的に見つめてきた澤田が、日本人としての死生観、そして戦争という記憶を、林冨士夫との対話の中で静かに描き出す。既に肉体的な限界を迎えつつあった林氏から、許された時間は8日間。カメラは林氏のみを捉え、その息遣い、その沈黙から、彼の背負ってきた記憶を映し出していく。奇しくもフランスでの上映初日、林富士夫はその歴史に幕を閉じるかのように息を引き取った。享年93歳。
本作は、日本で初めての特攻志願兵であり、亡き特攻隊員に語りかける林富士夫の遺言とも言うべき、鎮魂のドキュメンタリーである。戦後71年を迎え、その沈黙と記憶が私たちの心に刻みこまれる。

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