漁に出たまま帰らぬ父。美しい珊瑚礁を持つインドネシアの海域ワカトビを舞台に、残された母と娘の希望と再生の物語。
【終了日:9/2(金)】
【原題】Laut bercermin
【監督】カミラ・アンディニ
【キャスト】アティクァ・ハシホラン,レザ・ラハディアン,ギタ・ノバリスタ,エコ,ザイナル
2011年/インドネシア/100分/パイオニア映画シネマデスク /DCP
8月20日(土)〜8月26日(金) |
11:35〜13:20 |
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8月27日(土)〜9月02日(金) |
09:20〜11:05 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
インドネシアのワカトビという美しい地域。ここには“海のジプシー”といわれる漂海民のバジョ族が暮らしている。10歳の少女バキスは、漁に出たきり戻ってこない父の無事を信じて、自分の鏡に父の姿が現れることを、ひたすら願っていた。バジョ族にとっては鏡は人やものを探すときに用い、真実を映す神聖なものだ。母はそんな娘を心配するが、彼女も夫の死を受け入れられず、その不安を隠すように顔を白塗りにしていた。ある日、イルカの生態を研究する青年トゥドが村にやってきて、彼女たちの日々は少しずつ変わっていく・・・。
「鏡は嘘をつかない」は、父親の不在をめぐって、母親が娘の不安のなかで葛藤し、やがて事実を受け入れてゆくまでの心の模様を繊細に映し出した再生の物語である。
【世界遺産ワカトビの息をのむ美しい映像。
豊かな海の恩恵を受けて生きる海の民バジョ族の暮らし。】
映画では、海で生まれて海で死ぬといわれる漂海民バジョ族の暮らしが丁寧に描かれている。浅瀬にたてた高床式の小屋で、豊かな海の恵みを受けながら生活する村人たちの描写は、新鮮で興味深い。インドネシアのスラウェシ島の東南部にあるワカトビは、4つの代表的な島で構成され、1996年に国立公園として世界遺産に登録されている。世界第2位を誇る美しい珊瑚礁があり、海には多様な生物が棲息し、ダイビングの聖地でも知られている。しかし本作をとおして、近年、ワカトビとそこに暮らす人々も、地球温暖化や天然資源の開発によってすくなからず影響を受けていることが伝わってくる。
映画中、村人たちが2011年3月11日の東日本大震災の被害を衛星テレビでくいいるように見るシーンは印象的だ。この災害が世界の人々にいかに衝撃を与えたかが、うかがえる。
【みずみずしく夢見るような感性。
世界の映画賞に輝いたインドネシアの新たなる才能!】
インドネシアのカミラ・アンディニ監督は、10代の頃からダイビングをとおしてワカトビの海とバジョ族の文化や風習に魅了されてきた。本作は、自然に関するドキュメンタリー映画を多く制作してきた彼女の初の長編映画である。インドネシアを代表する映画監督であり、アンディニ監督の父であるガリン・ヌグロホがプロデューサーを務め、ワカトビ県や世界自然保護募金(WWF)の協賛を得て制作された。
母と青年以外のキャストは、地元で抜擢されたバジョ族の人たち。ワカトビの美しい海の映像とともに、主人公バキス役のギタ・ノヴァリスタや子どもたちの生き生きとした演技には、天性の才能を感じる。
本作は、インドネシア本国では最優秀新人監督賞、脚本賞など多数受賞、インドのムンバイ国際映画祭や東京国際映画祭など、世界各地の映画祭でも多くの賞を受賞し、脚光を浴びた。
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