韓国・仁川(インチョン)の映画館「ミリム劇場」は、2019年からシネマ・ジャック&ベティとの交流を行っており、2019年の「全国コミュニティシネマ会議in埼玉」にも参加されました。ミリム劇場の活動は、冷え込む日韓関係の中でも、映画を通した相互理解を深めるものとして、NHKでも紹介されました。このたび、ミリム劇場の支配人チェ・ヒョンジュンさんたちが、若い作り手による「仁川に関わりのある短篇映画」をセレクトして、短編集をつくりました。
●『保護者 보호자』(2020年 /22分/ドラマ)
出演:チョン·ヨンア パク·ソンヨン
あらすじ:ミョンスクは、一人娘が乳がんの手術を控えていることを、ある女性から告げられる。 訪ねた病室には、ミョンスクが会ったこともない女性がいた。
監督:チョン·ヘウォン
「一生起こるはずがないと信じていたことが、身近な人に起こる。 私たちが人生で経験する最も映画的な瞬間とは、まさにこのようなものではないでしょうか」
1993年生まれ。大学在学中に演劇活動を始める。韓国芸術総合学 校に進学し映画を専攻。監督した作品がソウル独立映画祭とアシアナ国際短編映画祭に招待された。
●『私の本当の気持ち 싫다는 게 아니라』(2020年 /27分/ドラマ)
出演:ラミヒ、イ·ソニ チョン·スンミ
あらすじ:ギターサークルの友だち2人に助けられながら日々の困難を乗り越えてきたスジョン。ある日突然、夫から姑が住んでいる町に引っ越すことを知らされる。
監督:ジュヨン
「他人には些細なことでも、本人にとっては深刻に思えることがある。特に家父長制社会の中で女性と男性の視線は異なり、これが時には意図しない暴力を生み出すことがある」
仁川を拠点に女性と映画に関わる活動を行う。2005年から2010年まで仁川女性映画祭事務所長、プログラマーを担当、2011年から2016年までは執行委員長を務めた。2017年監督デビュー。
●『ギャラクシーアイズ 갤럭시 아이즈』(2020年/17分/ドラマ)
出演:コ·ウンミン、クァク·ジンソク
頭で考えるだけで操作できる特殊なメガネ「ギャラクシーアイズ」が発売された。目を閉じたまま町を歩く人々。だがボヨンがそのメガネをかけると、変なものが見え始めて…。
監督:イ·ミンソプ
「ギャラクシーとアイフォンに代表されるスマホ時代。私たちは、科学によって新しいコミュニケーションの方法を手に入れたが、目の前の真実を見ていないのかもしれない」
高校生の時から映画を撮りはじめる。慶熙大学校演劇映画学科卒業後、キム·ソンス監督、イ·ジュンイク監督らの助監督として働く。監督したSF短編『お父さんかばんに入る!』が多くの映画祭で受賞した。
●『監督募集中。 연출자를 모집합니다』(2019年/22分/ドラマ)
出演:カン·ソヨン、チョ·ユンジュ
演技を学ぶワークショップの俳優たちが映画制作のため監督を募集する。 海外の映画祭で受賞した経歴があるという監督は、携帯電話で撮影を始めるのだが…。
監督:シン·ヨンヒ
「困難な道程でも、進み続けるということ」
仁川出身。軍除隊後、好きだった映画を作りはじめる。映画を学んだ経験もなく、資金もないまま試行錯誤しながら何本か短編映画を制作。思い出作りとして楽しく映画を作ってきたが、多くのことを学び、感じる中でいつの間にか真剣になってしまった。これからは本格的に映画作りに取り組みたい。
●『後ろ向きに歩く 뒤로 걷기』(2020年/32分/ドラマ)
出演:カン·ソヨン、チョ·ユンジュ
配達員をしている32歳のシホンの元に、ある日、日本人の良太が訪ねてくる。30歳の良太は、シホンが幼い時に失踪した母親が、日本で新たに作った家族の息子だという。
監督:バン·ソンジュン
「後ろ向きに歩く…役に立たないこと」
1989年仁川生まれ。ヒップホップにはまった時期もあったが、19歳から映画監督を目指し、大学時代も映画作りを行う。監督作として『モクレンについて』がある。
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