声に出せない思いが、夢に響く。
巨匠ベロッキオの新たな傑作は ある女性の尊厳死を巡り展開される、胸を揺さぶる三つの愛の物語
【原題】Bella addormentata
【監督】マルコ・ベロッキオ
【キャスト】トニ・セルビッロ,イザベル・ユペール,マヤ・サンサ,ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ,アルバ・ロルバケル
2012年/イタリア,フランス/115分/エスパース・サロウ/35mm
1月11日(土)〜1月17日(金) |
14:10〜16:10 |
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1月18日(土)〜1月24日(金) |
18:05〜20:00 |
一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
2009年、イタリア全土を揺るがすある女性の尊厳死事件が起こる。
17年前、21歳で交通事故に遭い、植物状態となってしまったエルアーナ・エングラーロ。両親は延命措置の停止を求め、カソリックの影響が強いイタリアで、長い間裁判闘争を行なってきた。2008年10月に最高裁判所がようやくその訴えを認めたが、彼女の延命措置の停止を行う病院はなかなか見つからなかった。翌年2009年1月、イタリア北東部の町ウディネの病院が受け入れを表明し、2月にエルアーナはミラノからウディネへ搬送された。しかし、カトリック信者や尊厳死反対の保守層からの支持を集めるベルルスコーニ首相は、エルアーナの延命措置を続行させるべく、法案の強行採決を画策していた。こうした尊厳死をめぐる賛否の激しい対立の最中に、三つの物語が同時進行で展開されてゆく。
2011年ヴェネチア国際映画祭でその業績を讃えられ栄誉金獅子賞を授与されたイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。『夜よ、こんにちは』『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』など、実在の事件を独自の解釈で描き、世界を熱狂させてきた監督が、イタリア全土を揺るがした尊厳死事件を基に、瑞々しく、鮮烈な愛のオリジナルストーリーを完成させた。
大切な人の命が生と死の狭間を彷徨っているとき、あなたならどうするだろうか。ベロッキオは、そんな永遠の命題への答えを、深く温かい洞察力で示唆に富む物語へと結実させている。妻を看取った政治家とそんな父に不信感を持つ娘、昏睡する娘の目覚めを願う元女優、自殺願望のある女を救おうとする医師、この三組の物語を同時展開させ、生と死を見つめるまなざしを丹念に追う。
そこで浮き彫りとなるのは、狂おしいほどの愛への渇望、切ない心のすれ違い、失うことで知る孤独。人が人を想うがゆえに生まれる、激しく、もどかしい感情のぶつかりあいに胸が締め付けられる。
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