その画、凶悪にして暴力的。ジョニー・デップが迫る、イギリス人アーティスト ラルフ・ステッドマン、孤高の美学
【原題】For No Good Reason
【監督】チャーリー・ポール
【キャスト】ラルフ・ステッドマン,ジョニー・デップ,ウィリアム・バロウズ,テリー・ギリアム
2012年/イギリス/82分/ザジフィルムズ/DCP上映
7月12日(土)〜7月18日(金) |
17:05〜18:35 |
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一般 | 大専 | シニア | |
通常 | ¥1,800 | ¥1,500 | ¥1,000 |
会員 | ¥1,500 | ¥1,200 | ¥1,000 |
不適切、危険、残酷、過激、反体制的-。
ラルフ・ステッドマンの画はいつもこのように評される。
カウンターカルチャーが隆盛を極めた60年代後半にイギリスからアメリカに渡った異端児は、社会への壮絶な怒りとアナーキーなエネルギーに満ちた風刺マンガで一躍名を馳せた。
国際政治や人権侵害の是正を訴えるその作品は、ザ・ニューヨーカーやローリング・ストーン誌などに掲載され、やがてそれが一人の男の目に止まる。後に生涯の友となる型破りなジャーナリスト、映画『ラスベガスをやっつけろ』の原作者としても知られるハンター・S・トンプソンである―。
本作は、『ラスベガス~』のメインビジュアルを手掛けたラルフの、ハンターとの波乱に満ちた友情物語を主軸に、ビートジェネレーションを代表する作家ウィリアム・バロウズとの交流や、ラルフの熱心な収集家として知られるテリー・ギリアム監督やビル・マーレイの協力の元に得られた貴重な映像を交えながら、創作活動の源に迫っていく。
ラルフの長年のファンで、『ラスベガスをやっつけろ』に主演したのが縁で、親しい間柄となった俳優ジョニー・デップが、アトリエを訪ねるところから、映画は幕を開ける。
古くギリシャ時代に生まれた“風刺漫画”の概念は、長い歳月を経て表現方法の一つとしてジャンルを確立、1960年代のアメリカで大きなうねりとなる。
「ユーモアをもてば過激な表現も許される」。その頃からラルフは、ニクソン大統領、ベトナム戦争、銃社会、公害、ヒッピー文化などを題材に、精力的に作品を発表。カメラは、以来50年余り、変わらぬ情熱を保ち続けるラルフの姿を追う。
創作現場を目のあたりにしたジョニー・デップは、時に感嘆の声を上げ、時に言葉を失いながら、市民の自由のために筆を取る一人の芸術家の素顔を引き出していく。
監督もまた、ラルフに魅せられたチャーリー・ポール。広告業界出身の彼は、CM制作の傍ら15年の歳月をかけて本作を完成させた。モーションコントローリング、16mm、スーパー8、HDを駆使してラルフの作品の数々をアニメーション化。劇中に挿入されるのも見どころのひとつ。ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュが楽曲を提供しているのも話題だ。
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